【出演】
												平幹二朗 松井誠 和泉元彌
今井清隆 深沢 敦 原田優一 本多 力 松田洋治 光枝明彦
小沢道成 金子 裕 白井圭太 高橋茂紀 竹内春樹 藤本 道 西原 純 渕野俊太 萬谷法英
												
                        【スタッフ】
												原  作:ウイリアム・シェイクスピア
												    訳:小田島雄志
												潤  色:斎藤栄作
												演  出:板垣恭一
												
												主  催:足立区シアター1010指定管理者
												運営・制作:ニテンイチ・キョードー東京
												製  作:キョードーファクトリー
	
                        【公演紹介】
												
男優のみの豪華キャストで描き切るシェイクスピア珠玉の恋愛史劇!
												
												片や、軍神マルスのごとしと讃えられた古代ローマの武将マーク・アントニー。片や、歴史に名を
												刻む世紀の美女クレオパトラ。二人が恋におぼれた時、運命は誰の手も届かない深みへと落ちて
いく──。
												エリザベス・テイラー主演の映画版も有名なシェイクスピアの『アントニーとクレオパトラ』は、大人
												の男女の愛憎劇を縦糸に、大国ローマにおける政治闘争を横糸に織り成されるスペクタクル史劇。
												『ロミオとジュリエット』での無垢な若者たちの純愛悲劇とは打って変わって、本作では成熟した中年
												男女ならではの目まぐるしい恋愛模様が、激烈なエネルギーをもって描き出されていく。
												
												クレオパトラへの愛に狂ったかつての名将マーク・アントニーに扮するのは、威風堂々たる存在感で
												常に舞台上を圧倒的な劇空間に変貌させる名優・平幹二朗。本作は、彼が長年上演を待ち望んできた作品なのだという。
												「〈運命の女〉に出逢った男が恋ゆえに身を滅ぼすという物語に、僕はどうしようもなく惹かれてしまう
												んです。シェイクスピアはこの戯曲で、一貫して屈折した大人の男女の愚かさや弱さを描き続け、
												死が訪れる最期の最期で、彼らの愛が本物であったという真実を美しいことばに乗せてつづってい
												る。その時、愛に身を捧げた二人の存在は天上に昇る資格を得て昇華されるんです。こうした描き方は、まさに大人の作品だなと思いますね」
												
												〈運命の女〉クレオパトラを演じるのは、艶やかな女形としてのみならず大衆演劇界を超えた活躍を
												見せている松井誠。二人の恋沙汰に業を煮やし、政敵を巧みに操って暗躍する若きローマの政治家
												オクティヴィアヌス・シーザーには、狂言師・和泉元彌が扮する。
												
												そのほか、すべての登場人物を男優のみで演じるというのも大きな見どころの一つ。また、複雑
												な5幕構成をコンパクトにし、時に切なく、時に滑稽な登場人物たちの心の機微を丹念に描写する
												潤色がなされたことで、より濃密な恋愛ドラマを堪能できそうだ。
												
												これまでにはない新生『アントニーとクレオパトラ』で、〈運命の女〉との愛に狂った男の愚かさ
と愛おしさを存分に見届けたい。
												
												
文/武次光世(Gene & Fred)
                        【あらすじ】
												
万華鏡のように千変万化する魅力の舞台!
												アントニーの偉大さと弱さ、
												危険な魔力を秘めた女、クレオパトラ
												この二人が織り成す悲劇とは…
												
												舞台はエジプト、アレクサンドリアのクレオパトラの宮殿。
												ローマではアントニー(平幹二朗)の正妻ファルヴィアが、弟のルーシアスと共に三頭政治を約束した
												シーザー(和泉元彌)に戦いを仕掛けているというのに、毎日のように饗宴に酔いしれているアントニーとクレオパトラ(松井誠)。
												
												さらには新勢力ポンぺーの攻撃により西方ローマの地が危ういと感じたシーザーは、アントニーに
												ローマに戻るよう使者を送る。最初は使者にも会わなかったアントニーだが、正妻が亡くなったという
												報を聞き、正気に戻り、ローマへ戻ることを決意。反対するクレオパトラに必ず戻ると約束して戻る
												ことになった。
												
												ローマ、シーザーの邸。エジプトでの身勝手な行動でシーザーとの間に確執が生まれてしまって
												いたアントニーだが悪びれる様子もなく、若きリーダー、シーザーを小僧のように扱う。
												このままではポンぺーと戦う前に仲間割れが起きると心配したプロキューリアスが、アントニーに
												シーザーの姉オクティーヴィアとの再婚を提案する。これ以上ない提案にお互い手をとり義兄弟の
契りを結ぶのであった。
																	
												しかしその行動にアントニーのお抱え占い師が異を唱え、ぼんやりとした悪い未来を予言する・・・・。
												シーザーの傍にいては危ないと急ぎエジプトに戻るように提言するがもう後には引けないアントニー
												はオクティーヴィアとの再婚をきめてしまう。
												
												シーザーの姉オクティーヴィアとの再婚の報をエジプト、アレクサンドリアで聞き、怒り狂うクレオ
												パトラ。一方政敵ポンぺーと戦いではなく、講和を結んだローマ三執政官。それに納得のいかない
												シーザーは講和を結ん筈のポンぺーを裏切り、攻撃をしかけ、盟友を弾劾・幽閉する。
												それを聞いて怒るアントニーをなだめる為、妻オクティーヴィアは自分がローマに行って真相を確か
												めに出て行くが・・・・。その隙にアントニーはクレオパトラに招かれるまま、約束を破り、エジプトへ向
												かってしまうのだった。オクティーヴィアを裏切ったアントニーに怒るシーザー。二人は遂に戦争へ。
												
												結果はアントニーの惨敗。
												
												クレオパトラの命乞いをするアントニーにシーザーは・・・・。